吃音には波があります。

 

私の場合、昔は『連発』の症状があり、たまに『伸発』の症状がでていました。

しかし、大学生くらいあたりから、『難発』の症状が出てくるようになりました。

 

吃音の種類については、[私の吃音について]をご参照ください。

 

 

この『難発』がめちゃくちゃ厄介で、言葉を発したくても全く出てこない。

喉周りの筋肉が硬直し、息すら吐くことができない状態になってしまうのです。

 

 

ある時から、この『難発』の症状がすごく多くなり、仕事での電話対応や打ち合わせ時、日常会話にまで影響が出るようになってきたのです。

話したくても話せない。挨拶の言葉さえ出てこないこともありました。

 

人と話すことをストレスに感じ、職場でも最低限のやりとり以外、一切話さない期間が続きました。

普通に話すこともできない情けなさや、こんな自分と結婚した妻は幸せなのだろうか、子供にとってこんなパパは恥ずかしいのではないか、など頭の中で色々なことが巡り、家に帰ってもあまり話さなくなっていました。

 

妻も心配はしてくれるのですが、

「仕事が忙しくて疲れてるねん。ごめんな。」

と嘘をつく毎日でした。

 

妻には過去に吃音のことを相談はしましたが、吃音の理解もまだ浅く、

「周りから見てもあまり分からないし、気にしなくて大丈夫!」

と言われたので、それ以上、吃音の症状の重さや自身の精神的な辛さを説明する気もおきず、殻に閉じこもっていたのです。

 

何日か後に、さすがに仕事疲れではないだろうと、真剣な表情で声をかけてきました。

かずパパ嫁
大丈夫?仕事以外に何か悩んでるよね?

かずパパ
。。。。。

かずパパ嫁
何か悩んでるんやったら言ってほしい。一人で抱えてそうなのを見てるのも辛いし。

 

子供を寝かしつけた後、優しく声をかけてくれたのを鮮明に覚えています。

 

どこからどう話したらいいか、頭の中で整理がつかない状態でしたが、今の吃音の症状、仕事や日常生活でどのような時に苦労しているか、普段は周りにバレないようにどれだけ考えているか、いつから一人で悩み続けてきたか、誰も相談に乗ってもらえず孤独だったことなど、今まで胸の内に秘めていたことを話しました。

 

妻はずっと黙って頷きながら聞いてくれました。

聞いている妻の目には涙が浮かんでいました。

 

かずパパ妻

。。。。。

今までそんなに悩んでいたことに気づいてあげられなくてごめんね。。。

たとえ吃音で話せなくなっても、どんな時もかずパパの味方やからね。

私ができないことはかずパパがしてくれるし、逆に吃音でかずパパができないことは、

私がすればいいやん!

かずパパにもできないことがあるんやって、不謹慎やけどちょっと嬉しくなったよ。

 

そう言ってくれた時、私の目からも涙が出ていました。

 

今まで、

「かずパパさんはなんでもできるね!」

「かずパパさん、苦手なこととかあるんですか?」

「コミュニケーション力が高くて羨ましい。」

などを言われる度に、嬉しさと同時に、

”周りは完璧なかずパパを求めている。”

”『吃音』を患っているとバレたら自分に価値がなくなるんじゃないか。周りの人がいなくなってしまうのではないか。”

など『吃音』であることをコンプレックスに思い、誰にも打ち明けられずにいたので、

話すという普通のことさえできない自分が大嫌いでした。

誰にでもできることができない自分が情けないし、許せないし、価値がないと思い込んでいました。

 

 

そんな『吃音』を患っている私のことを認めて、大切に想ってくれているのだと、本当に救われた気持ちになりました。

 

誰か一人でも、理解してくれる人がいてくれる。

誰か一人でも、吃音の自分を認めてくれる人がいてくれる。

誰か一人でも、自分の辛さを共感してくれる人がいる。

 

それだけで、精神的に楽になります。

 

吃音の症状が良くなったわけでもないし、日々辛い思いもするけれど、”吃音の理解者”が一人でもいてくれることで、吃音で悩んでいる人の気持ちが少しでも楽に、人生が少しでも楽しくなると思います。

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